いろいろな町を旅したり住んでいると、その町がもつオーラというものに敏感になる。
父親の転勤の影響で、和歌山、大阪、滋賀、岡山という土地で幼少期と青年期を暮らし、大学時代は山梨、大学を卒業してからは東京で暮らした。
大学時代には鉄道や船を利用し、日本一周旅行を行なった。ゆっくりと時間をかけて巡りたいところではあったが、当時は10日間ぐらいでのハイスピードでの日本一周であった。ただそれでも、日本各地の違いを肌で感じ取ることが出来た。
大学入学の頃から父親が単身赴任となり、赴任先が変わる度に父親のもとにも遊びに行った。訪れた町は松江、高松、京都、高知。父親が暮らしている町とともに、その町の周囲の町もたくさん訪れた。それぞれの町にそれぞれの雰囲気があり、見える景色、聞こえる音が全く違う。そして何よりもオーラが違う。その町が創り出す、その町独自のオーラだ。
東京という街をひとつ取ってみてもそうである。北千住、渋谷、品川、中野、吉祥寺。三軒茶屋、築地、銀座、六本木、自由が丘、浅草。どの町も立派なひとつの町ではあるが、それぞれが持つそのオーラはまるで違う。何十年、何百年とかけて創り出してきた、その町独自のオーラである。オーラ、それは波長という言葉でも表現できるだろう。その町が放つオーラ、その町が放つ波長。私たち人間は感覚的に存在しているそれを、動物が持っている本能的な嗅覚で無意識の内に感じ取っているのだろう。
そして、たくさんの町が独自のオーラを持つように私たち人間もまた、その一人ひとりが独自のオーラ、波長を持っている。そして私たちは、自らの波長と町の波長が一致する時、無意識的に“この町に住みたい”、“この町はいい町だ”と感じ、その結果その町の波長にフィットした人たちが自然とその町に集い生活をスタートさせる。そして段々とその町の波長が形創られていくのだ。その町の波長はその町の波長であると同時に、その町に住む人たちの波長でもあったのだ。
「自分自身のフィーリングに沿って生きる」。このことはわたしたちが幸せな人生を手に入れるために必要な、大切な方法のひとつなのかもしれない。他の誰でもない、あなた自身の感覚。みなさんが、みなさん自身の人生の中において、とっておきのベストタウンに出逢えますように。住みたい町に住む。それは人間の大きな幸せのひとつだ。
今日もお読み頂きありがとうございました。みなさんの人生が幸せに溢れたものになりますように。